開業にあたって準備すべきこと

 競争が激しさを増す中で、開業すれば儲かるという時代はすでに過ぎ去りました。これからの病医院の開業にあたっては会社設立と同様、綿密な事業計画が不可欠となります。開業にあたってまず行うべきこととして、@経営コンセプト(理念、方針)の明確化Aキャッシュフローベースでの経営数値化B運営資金の計画があります。

病院開業イメージ図

経営コンセプト(理念・方針)の明確化

 開業にあたっては、事業計画、開業地の選定、スタッフの採用、資金調達、医療機器の選定など病院を経営するうえで様々な準備をしなければなりません。この時、入手した多くの情報をもとに、自ら取捨選択をしてこれらの事柄を決定していきますが、取捨選択の判定基準となるものが『経営コンセプト』であり、これに包括されている経営者の理念や方針が病院を経営するうえでのベースとなります。

 開業することはすでに決定しているが、事業計画や開業地の選定など項目の大半がまだ決まっていないという場合は、まず経営の基礎となる『経営コンセプト(理念・方針)』の明確化をおすすめいたします。経営コンセプト(理念・方針)が明確化されれば、このコンセプトに基づいて事業計画を立て、開業地を選定し、どのようなスタッフを採用するかなど具体的な経営上の戦略が見えてくるようになります。

キャッシュフローベースでの経営数値化

 開業直後は、土地建物の取得(賃貸)費用や、医療機器導入費用、スタッフ人件費、広告宣伝費など多くの支出が見込まれます。通常業務の収支をしっかりと数字に落とし込み、経営状況を数値化し把握することが後々、経営安定化や経営効率化の近道となります。特に開業当初は、キャッシュフロー計算書を用い、キャッシュイン(実際の現金収入)とキャッシュアウト(実際の現金支出)を明確化し、医療報酬の入金と固定費、変動費からキャッシュフローベースの損益分岐点を見極めた予算組が重要となります。

 しかし、経営数値化は専門的な会計知識と手間がかかり、患者の診察業務や、その他の業務に追われ多忙を極める開業医にとってはなかなか簡単に済むことではありません。会計の専門家に依頼し、その専門家と共に経営安定化や経営効率化のための経営活動の数値化を行うことをおすすめします。

運営資金計画

 前述の通り、開業直後は土地建物の取得費用やこれらの内外装費用、医療機器の導入費用など多額の費用が必要となります。開業準備金が潤沢にある場合は問題ありませんが、状況に応じて金融機関からの借り入れをおこなうなどの資金計画が必要となります。いったん借り入れた金額は、その後病医院を経営していくなかで徐々に返済をおこなわなければなりませんので、しっかりとした無理のない資金計画をおこなうことをおすすめします。また、綿密な資金計画を立てておくことは、不確実な経済的要因などで予想以上に収入が伸びないなどの負のシナリオが発生した時も、その時になって急に慌てることがなくなり、短期又は中長期的なビジョンを通して確実な病院経営へとつながります。

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